k-(TMET-STF)2BF4の超伝導と比熱

 


表題物質は層状構造を形成しており、1、2次元的な電子構造を有する層が交互に積層する特異な物質である。この物質で本年度、超伝導相(転移温度4K)が発見された。興味深いのは,超伝導相に転移する直前の温度(13K)で抵抗の急激な増大が観測されることである。この増大と超伝導との関係を明らかにするため比熱測定を始めた。この研究においては,超伝導状態を壊すための強磁場が必要不可欠である。このため10Tまでの磁場を印加できる簡易型超伝導マグネットを購入し超伝導特性の研究に着手した。