光学スペクトルによる
プラズマ振動数の評価
=有効質量テンソルの
最も簡単な評価
- 直流伝導度 は、m*とτの両方に依存
- プラズマ振動数 は、m*だけ含む
(cgs esu 単位系)
(n:電子密度, e:電子の電荷の絶対値)
光=高周波電場
光に対する物質の応答:高周波電場に対する伝導度測定
例えばHCl分子に赤外光を当てると伸縮してH-Cl <-->
H+・・・Cl-のように運動する
これを、分子に交流が流れたと思えばよい(コンデンサーに交流が“流れる”のと同じ)
実験法=偏光反射分光法
反射率R:反射光エネルギー/入射光エネルギー
- なぜ反射か?
- 試料が不透明なので透過率は測定困難
- 試料の厚さを正確に測るのも困難
- 試料内部の欠陥に鈍感(クラックがあってもOK)
- 単結晶の反射率の測定法:
- “金属顕微鏡”(ハーフミラー)
- +光源+分光器+偏光子+検出器
- 偏光
- 電場の方向を簡単に変えられる
- --> 容易に異方性がわかる
通常は、平滑表面に垂直入射
試料が不透明なら厚さ∞と仮定(裏には届かない)
Drude model
質量m*,位置xの電荷に
X偏光の交流電場+速度に比例する摩擦抵抗力
x = x0 exp(-iw
t) を代入(d/dt を-iw倍に置換え)
こんな電荷が体積あたりn個あるとする
( 密 度 一 様 の 仮 定 )
(単位表面積4πとする)
このデータをfittingにかけて、ωPとτ=1/γ(とε∞)を求める
- 密度一様の仮定は、強い長距離Coulomb力のために
- 個々の電子が勝手な運動をせず、集団で運動すること
- (これがプラズマ振動)
- ---> 見かけ上の一体問題になる
一般のバンドで、m*がkに依存するとき
(バンドが何種類かかかわるときも含む)
- 一様密度を保つためには加速度(∝1/ m*)が一様
- --> 1/ m*に関する平均をとる
- 異なる伝導度(∝1/ m*)のパスが多数あるとして、その並列と考えてもよい
- ただし、τはkにあまり依存しないとする
これを使って、
ガウスの定理を使って面積分に直すと、
これはBoltzmann方程式から求めた結果と一致
特に二次元の場合
x,yの2方向のωPから、バンドの形を決めるパラメーター2個が求められる
バンドが決まれば、他の“有効質量”も計算できる
測定解析上の注意点
- たいていはDrude項以外の寄与も一緒に見える(伝導度スペクトルが見やすい)
-->
- 偏光方向を主軸に合わせる(角度依存性のチェック)
tamura@ph.sci.toho-u.ac.jp