東邦大学

#2507 物性物理学教室

物性物理学教室はどんな研究室?

有機導体とよばれる、電気を通す有機物の中の電子のふるまいを研究しています。これらは一般的な有機物のイメージと違って金属になったり超伝導体になったりします。最近では固体中のディラック電子という、物質中でまるで質量のない粒子のようにふるまう電子を有機物ではじめて発見しました。また電圧をかけると超伝導状態になる、有機超伝導トランジスタの研究などもしています。卒業研究で超伝導を研究して、就職後にリニアモーターカーの開発に携わっている卒業生もいます。

物性物理学教室の研究室

どのような研究をしていますか?

(Iさん、博士前期課程) 私は有機ディラック電子系の研究をしています。有機物といえば普通は絶縁体ですが、この物質の中の電子は非常に高速で動き回り、通常は高性能半導体デバイスでしか見られない「量子ホール効果」という現象を見せます。教科書に出てくる量子力学的な現象を体感することができるのが魅力です。この分野の第一人者の先生と相談しながら研究を進めています。

研究について

物性物理学教室の魅力は?

(Iさん、博士前期課程) 日本初の有機超伝導体の発見や、世界初の有機ディラック電子系の発見など、新しい物理現象を追求してきました。卒業研究の内容が論文として出版されることも多く、研究の最前線を体験することができます。

研究室の様子を見せてください。

電子の性質を調べるためには、絶対零度近くまで温度を下げて熱振動を抑える必要があります。そのため、この研究室では絶対零度近い低温をつくる装置や、電子の運動を制御するための、強力な磁石があります。学生の皆さんは実験装置の工作をしたり、試料を冷やすための液体ヘリウムを汲んだりして実験を行なっています。

研究室の様子