Last up date: 4 Aug. 1997

量子スピン・強相関・分子磁性

これは、有機固体若手の会1997年「夏の学校」第3日午前の
磁性の話の予習用テキストです。内容は予告なしに小規模に
改定されることがあります。ご意見・ご質問は、
tamura@ph.sci.toho-u.ac.jp
までお願いします。
 

はじめに

このテキストを貫く流れは、

  1. Valence Bond(VB)の考え方(特にトポロジーとの関係)
  2. スピン励起のエネルギーギャップの有無と磁性の関係
    です。それぞれ、量子効果、スピンの揺らぎと呼ばれる概念に通じています。 で、分子内の問題も分子間の問題も、見方によれば絡まっていて、お互い他 人事ではないなあ、ということです。

    目次

    [1]量子スピン系入門
    (1−1)量子スピンの基本
    1-1-1. Heisenberg spin Hamiltonian
    1-1-2.電子1個
    1-1-3.Heisenberg交換相互作用
    1-1-4. 2電子問題(最も簡単でもっとも重要な例題)
    1-1-5.例題
    (1−2)補足的事項(観測される磁性に影響する要因)
    1-2-1. スピン次元と空間次元
    1-2-2. 磁性体の熱力学
    1-2-3. 平均場近似
    1-2-4. マクロ系の基底状態いろいろ
    1-2-5. スピン波近似
    1-2-6. 非磁性量子状態の簡単な例
    1-2-7. 量子効果 vs. 磁気秩序・・・どっちになるか?
    [2]低次元磁性
    (2−1)Spin-1/2 Heisenberg 一次元鎖
    (2−2)Haldane系とVBS(Valence Bond Solid)
    (2−3)Haldane系の仲間
    (2−4)二次元系
    (2−5)三次元
    (2−6)Flustration
    [3]強相関系の磁性
    (3−1)Hubbard modelとHeisenberg model
    3-1-1. 2-site Hubbard model(水素分子の模型)
    3-1-2. t-J model
    3-1-3. 寄り道:VBのもつ対称性
    (3−2)有限Hubbard模型・・・Lieb定理
    (3−3)RVB
    [4]強相関複数軌道系
    (4−1)分子内強相関とスピン分極
    (4−2)平坦バンド強磁性
    (4−3)近藤格子と二重交換相互作用
    (4−4)遍歴電子磁性(金属強磁性)の特徴
    参考文献

    Tamura's Home Page

    先頭

    〒274 船橋市三山2-2-1 東邦大学 理学部 物理学科
    Phone : 0474-72-6988, F A X : 0474-75-1855
                                         田村 雅史
     
    tamura@ph.sci.toho-u.ac.jp