定電流電解用電源回路の例

一般的な±15Ｖ電源

• 0.1μFのコンデンサはセラミック。
• コンデンサ類は三端子ＩＣの近くに配線。逆にトランスはなるべく離す。
• トランスの２次側センタータップ付のものがなければ，0-15〜18Ｖが２対ついているものを選んで，センタータップのかわりに導通のない端子間を１カ所短絡させ，テスターでAC電圧を測って，短絡させていない両端で２倍の電圧が出る組合せを捜す。
• 三端子レギュレータICの78L15（プラス用），79L15（マイナス用）は，I（入力）,C（コモン）,O（出力）の足の付き方が違っているので注意．7815と7915のケースどうしをつなぐと壊れる。

定電流回路（15Ｖ電源と電流メータを共通にして，以下のものをいくつかつくって並列にする。）

これは私の趣味に基づいた一例です。他にも他種類の設計が可能です。定電流回路は、電圧−電流変換回路で入力電圧を一定に保つようにしたもので、１〜２個のＯＰアンプで構成することも可能ですし、簡略なものならFET１個でもつくれます。下記のものはFETと電源の定格が許す範囲で出力電流が設定できるということ（応用範囲の広さ）と、原理の簡単さが、私の趣味に合うだけのことです。

• 抵抗器は金属皮膜抵抗がお薦め。
• 0.1μFのコンデンサはOPアンプの近くに配線し、すぐに接地。抵抗R₀とOPアンプ−入力端子の間も短めに。
• 出力電流の経路は，

  +15Ｖ --> （電流メータ）-->電解セル -->FETのＤ(ドレイン) --> FETのS(ソース) --> R₀ --> GND

• R₀は電流検出抵抗で，流れる電流をIとすると， R₀にIR₀の電位差ができる。これをOPアンプの−入力端子に伝える。（電流はOPアンプには流れこまない。）
• R₁とVRは，OPアンプの＋入力端子に伝える基準電圧を設定する。例えば，

  R₁＝500 kΩ，ＶＲ＝０〜１ＭΩとすると，基準電圧はＶＲ＝０のとき０(接地),　ＶＲ＝１ＭΩのとき，1/(1+0.5)＝10 Vとなる。

• OPアンプの働きは，出力のFETのＧの電位を変化させてＤからＳに流れる電流を加減し，−入力端子の電位を＋入力端子の電位と一致するようにすること。
• 最大10μA流せる電源をつくるなら，IR₀＝0.00001R₀が基準電圧の最大値になるようにする。基準電圧最大値が10Ｖなら， R₀＝１ＭΩ．
• FET入力OPアンプTL07Xは，Ｘ＝1，2，4の４種があって， それぞれ同じ回路がＸ個含まれている。TL074が便利。TL08Xシリーズも使用可。
• SW₁を閉じると，電流メータに電流が行かないので，メータ取り外しができる。
• SW₂を閉じると，出力負荷（電解セル）が保護される．定電流電源の出力解放状態は，最高電圧（15Ｖ）出るので，避けるべき。（逆に定電圧電源の出力短絡は絶対避けるべき。）
  

  参考書：

• 加藤・見城・高橋「図解・わかる電子回路」（講談社ブルーバックス）

  入手しやすく、各種部品の使い分け図解もあって、一冊研究室にあると便利

• 「トランジスタ技術 1992年7月号 基礎からのOPアンプ徹底解明」（ＣＱ出版社）

  OPアンプの各種回路の原理や実装法が写真入りでわかりやすい