野辺山天文台見学会

 東邦大学理学部物理学科では、野辺山宇宙電波観測所の見学会を行なっています。今年は6月10日金曜日(創立記念日)に行ってきました。参加者は総勢24人でした。
 当日はあいにくの雨でしたが、参加者全員、大変熱心に説明を聞いていました。また、都会の慌しさをわすれ、清里の自然を満喫してきました。

 野辺山宇宙電波観測所には45m電波望遠鏡ミリ波干渉計電波へリオグラフなどの観測装置があります。これらの観測装置は、可視光よりも波長の長い「ミリ波(波長1mm〜10mm」と呼ばれる電波を主に観測しています。
 今年も観測所の方々に、現在使われている観測装置などの説明をして頂きました。それでは、見学会の様子を見ていきましょう。


 観測所構内に入って、まず最初に登場したのが ミリ波干渉計 です。

 45m望遠鏡の手前にあるミリ波干渉計は、口径が10mの望遠鏡からなっています。このアンテナを全部で6台並べ、ケーブでつなぐことによって、最大で約 600m もの巨大アンテナと、同じ解像度が実現できるのです。このようにミリ波干渉計は、天体の細かい構造を詳しく調べるのに威力を発揮します。この装置の前で、干渉計の説明や、この装置で何を観測できるのか、また、今進められている計画(ALMAなど)等を丁寧に説明して頂きました。参加者も話を聞くだけでなく、それぞれ熱心に質問をしていました。

 構内の一番奥にあるのが観測所の目玉,45m電波望遠鏡です。

構内にあるパネルその1

構内にあるパネルその2
45m電波望遠鏡

 野辺山にある45m電波望遠鏡は、世界で活躍している望遠鏡です。何故45mも必要なのか。それは、大きな口径だと、天体からのかすかな電波信号を集める能力に優れているからです。ここでも45mについて、いろいろお話を聞かせて頂きました。そして、嬉しいことに、特別に45mアンテナの内部にも入らせて頂きました。
 たくさんの受信機が置かれている1階の部屋では、ベアーズ(25 BEam A rray Receiver System)などの最先端の受信機を拝見させて頂きました。25BEARSは、25点同時観測を実現した、野辺山天文台が誇る電波のカメラです。これがどんなにすごい事か。この受信機一台で、45m望遠鏡が25台あるのと同じ仕事ができると想像してください。とても貴重な体験が出来ました。
25BEARS

 さらに今回は、アンテナの隣にある解析棟(アンテナの方向を遠隔操作できる所)から、特別に、アンテナの向きを変える様子を見させて頂きました。
 観測をしている現場は見れませんでしたが、それに近い体験をすることができました。

一言も聞き逃すまいと、皆さん真剣です・・・

 当日は朝の7:30に大学を出て、途中清里のソフトクリームを食べに立ち寄り、午後1:00頃観測所に到着。そこで2時間ほど施設を見学しました。
リラックスモード ソフトクリームはここで売ってます
 観測所を出た後K先生の提案で、ワイナリーに立ち寄りました。そこでは、ワインが出来るまでの様子を見学した後、試飲ができました。

試飲コーナー 色々売ってます ワイン工場
  雨が降ったり止んだりと悪天候でしたが、とっても素敵な一日を過ごせました。お忙しい中、親切に説明をしてくださった、久野さん,澤田さん、ありがとうございました。

制作者:東邦大学_宇宙素粒子研究室メンバー